日常生活に障害をもたらす前にもの忘れ・認知症外来へ
人間は誰しも年を重ねると「すぐに忘れる」「思い出せない」などの症状が出てきます。しかしそれが加齢によるものなのか、認知症の入り口なのかをご自身で判断するのは難しいものです。
もの忘れは認知症の最も基本的な症状の一つであり、早期診断・早期治療が大変重要になります。もの忘れ外来ではそれらの症状が年相応として問題ないものなのか、治療を要するものなのかを診断します。
こんな症状はございませんか?
- 人や物の名前が出てこない
- 先ほどのことを覚えていない
- 同じことを何度も質問する
- お金の管理ができない
- 怒りっぽくなった
- 意欲がなく落ち込みやすくなった
患者さんとそのご家族が穏やかな日々を送っていくために、気になる症状がありましたらお気軽に当院にご相談ください。
認知症について
認知症とは、脳の病気や障害などの様々な原因によって認知機能が低下し、日常生活に支障が出てくる状態をいいます。
認知症にはその原因によって以下のように分類されます。
アルツハイマー型認知症
アルツハイマー型認知症は、脳にアミロイドβというたんぱく質がたまることで脳が委縮し発症する認知症のことで、初期症状として物忘れが多くみられ、なだらかに進行していきます。認知症のなかでは、60~70%の割合を占めます。
- アルツハイマー型認知症の検査・診断
- アルツハイマー型認知症は、その他の疾患を除外した上で、頭部MRIでの脳の萎縮のパターンや認知機能テストなどから総合的に診断します。
- アルツハイマー型認知症の治療法
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アルツハイマー型認知症の根本的な治療法はまだありませんが、進行をできるだけ遅らせ、薬や非薬物療法などによって症状を緩和することができます。
2023年に、認知症の原因となる脳内に溜まったアミロイドβを除去することによって症状の進行を直接抑制する『レカネマブ』が承認されました。病気の根本的な原因を改善する薬剤として期待されています。
脳血管性認知症
脳血管性認知症とは、脳の血管障害によって起こる認知症です。脳血管障害には、脳の血管が詰まって血流が滞り、その部分の脳の働きが消えてしまう脳梗塞や、脳の血管が破れて出血することで様々な症状を引き起こす脳出血などがあります。
脳血管性認知症は脳の障害部位によって、記憶力の低下や身体症状など、様々な症状として現れます。
- 脳血管性認知症の検査・診断
- 頭部MRI検査により脳の障害の有無を確認し、認知機能に関わる部位の障害を見つけることで診断します。
- 脳血管性認知症の治療法
- 脳血管障害によって失われた脳神経細胞は元に戻らないため、根本的な治療法は確立されていません。脳血管性認知症は生活習慣病が引き起こす病気のため高血圧・糖尿病・脂質異常症などのコントロールが重要になります。
レビー小体型認知症
レビー小体型認知症は、レビー小体と呼ばれるたんぱく質が脳に蓄積されることで脳の神経細胞が減少して発症する認知症です。認知機能障害の他、幻覚、パーキンソン症状、睡眠行動障害など、さまざまな症状が見られます。幻視や妄想、抑うつなどの症状は、精神疾患と間違われることもあります。
- レビー小体型認知症の検査・診断
- 症状についての問診後、頭部MRI検査を行い、脳の萎縮を確認します。また、進行性の認知機能の低下に加えて、中核的特徴である「症状の動揺性」「幻視」「パーキンソン症状」の有無を確認することによって診断します。
- レビー小体型認知症の治療法
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レビー小体型認知症は、他の認知症と同様に根本的な治療はまだありませんので、早期発見・早期治療により症状を軽くする、進行を遅らせることを目的とします。
薬物療法では、精神症状やパーキンソン症状などそれぞれに応じた薬物によって症状のコントロールを図ります。
前頭側頭型認知症
前頭側頭型認知症は、脳の一部である「前頭葉」や「側頭葉」の委縮により、様々な症状が出る認知症です。前頭葉は「言語・記憶力・自制力・判断力・人格・社会性」を、側頭葉は「記憶・聴覚・言語」を主につかさどっています。萎縮が起こる部位によって症状の出方が異なりますが、社会性の欠如や言語機能の低下などが特徴的な症状として現れます。
- 前頭側頭型認知症の検査・診断
- 症状についての問診を行い、頭部MRI検査にて前頭側頭型認知症でみられる脳の萎縮が認められるかを確認して診断します。
- 前頭側頭型認知症の治療法
- 他の認知症と同様に、前頭側頭型認知症を根本的に治す治療法はありません。そのため、精神症状に対しては抗うつ薬や精神安定薬などの処方を行い、言語障害に対しては言語療法を行うなど、症状に応じたケアが重要になります。